リーダーシップ往復書簡 004

リーダーシップ往復書簡 004

 

 

「リーダーシップ往復書簡」ですが、おかげさまでコメントも少しずつ増えてきて嬉しいです。私のFacebookの友人・知人だと経営者や投資家の方が多いわけですが、皆さん、やっぱり興味あるんですね。リーダーシップ(笑)。

とはいえ、私の能力不足から少し懸念があります。それは「言いたいことが正しく伝わっているのか?」という点です。

これは私の文章が拙いということもあるのですが、記載内容が今の私の成長度に応じた感覚的な表現を使っているからです。

成人発達理論によると、自分よりも上の意識段階を理解できないとされています。ロバート・キーガン教授だと成長度は4段階に分類されるわけですが、例えば、第4段階にある人には第1段階から第3段階の人の考え方を理解することができますが、第1段階の人は第2段階以降の人の考えを理解することができません。

決して私の成長度が高い段階にあると言いたいわけではなく(※ 成人発達理論の本によれば、必ずしも成長度が高いから良いというわけでも、社会により多くのアウトプットが出せるというわけでもない。)、より多くの人に、リーダーシップに興味を持ってもらって、また、有益な文章・情報にするにはどうすればいいのかを考えています。

リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。

また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!

 

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【Q.4】
ありのままであること(オーセンティック・リーダーシップ)は重要だと思うが、そうなるきっかけを意図的に他者に与えることは可能だと思うか?
業務の中で、それを実現するには何が必要か?

 

<コメント>

私も、リーダーはありのままであること、自然体であることが望ましいと考えています。

リーダーのあるべき行動様式である「あり方」とは、一つ一つの行動である「やり方」と違って、リーダーの人間性そのものです。人間性は偽ることはできません。だから、リーダーは自然体で構わないですし、自然体であってもフォロワーを魅了できなければなりません。

私が人を動かすにはリーダーシップが大事だという話をすると、必ずと言っていいほど、「どのようにやればいいですか?」とか「どのようなテクニックですか?」という質問を受けます。

しかし、リーダーシップとは「あり方」であって、「やり方」ではないのです。

リーダーに不可欠な「人として正しい」という価値基準があります。子供の時に両親や先生などから教えられた「人として正しい」という普遍的な道徳観や倫理観に基づいた価値基準は「やり方」ではありません。

質問に戻ると、ありのままであること(オーセンティック・リーダーシップ)のきっかけを意図的に他者に与えることは可能か?という問いに対する回答ですが、可能だと思います。

これについては、日本人には理解しやすい事例があります。
それは、茶道、書道、空手や歌舞伎などにおける「型」の習得と同じではないかと思うのです。

「型」は、具体個別の「やり方」というよりは、その背後にある思想であったりたたずまいであったり「あり方」まで表現しており、単なるテクニックに留まるものではなく「深度」があると思います。

この「型」を多くの人々が理解し、魅了されていることを考えると、ありのままであること(オーセンティック・リーダーシップ)の重要性やきっかけを同じように意図的に他者に与えることは可能であると考えます。

「業務の中でそれを実現するには何が必要か?」という問いですが、ありのままであること(オーセンティック・リーダーシップ)のきっかけを意図的に他者(対象者)に与えることを実現するためには、以下が必要ではないかと思います。

<意図的にきっかけを与える方法>
1.対象者が、見て感じ取って「やり方」を習得し、反復継続する。
2.対象者がオープンマインドの状態で、既に深い理解を習得している人(メンター)との対話を行い、一人で深く考える時間を作る。
3.対象者が2で具現化・統合化された「あり方」とともに改めて実行する。

周囲の人々は、対象者がきっかけを得るために、導いてくれるメンターと何より時間を用意する必要があるのではないかと思います。もちろん、前提として、対象者は真摯にものごとやメンターと向き合わなければならないと思います。

上記は、私は再現性あるプロセスだと思いますが、なかなか会社の日常業務の中で実現していくのは大変かもしれません。なお、前述の「型」の習得も同じようなプロセスなのではないかと思います。

 

※この記事は、2019年8月27日付Facebook投稿を転載したものです。

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