リーダーシップ往復書簡 023

リーダーシップ往復書簡 023

 

 

おかげさまで「リーダーシップ往復書簡」ですが、既にリーダーとして活躍されている方々やこれからリーダーを目指す方々から、毎回少しですがリアクションがあります。

このような読者層の皆さんなので、今般の未曽有の危機である新型コロナウイルス感染症の拡大問題において、ぜひとも各人で何ができるかを考えてもらいたいと思います。

リーダーシップとは組織のトップにだけに必要なものではありません。

本来、リーダーシップとは、ありとあらゆる人が発揮すべきもので、リーダーシップに組織における立場は関係ないのです。

新型コロナウイルス感染症の問題を考えたときに、ウイルス対策という高度な専門性と規模の大きさから、安倍首相や小池都知事など政治家の強いリーダーシップに期待するところが大きいのが事実でしょう。

しかし、私たちのような一般市民でも、この問題に対して、必ず世のため人のために貢献できるようなことがあると考えています。

決して大それたことはできないかもしれませんが、できること・身の回りのことから、リーダーシップを発揮したいと思います。

私のクライアントの中でも、既に3社がコロナウイルス問題を機に、リーダーシップを発揮しています。以下にご紹介します。

1. VAAK Inc. 新型コロナウイルス対策として、感染リスク検知AI「VAAKEYE+」の試験提供を開始

2. 株式会社フェアワーク 新型コロナウイルスに負けない! 「医療・製薬・介護業界応援キャンペーン」実施のお知らせ

3. Ekuipp(エクイップ)株式会社 新型コロナウイルス対策 日本の「ものづくり」を応援! 「中古計測器・測定器の現金化キャンペーン」実施のお知らせ

リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。

また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!

 

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【Q.23】
新型コロナウイルス感染症の影響で、会社の資金繰りが切迫しています。そのため、全員が今までと同じというわけにはいかず、会社で人員削減を検討しなければならない状況です(正確には、当該ウイルスの影響による売上減少がいつまで続くか分からないため、保守的に考えて、リストラをしなければならないと考えています。)。

「トロッコ問題」(=「ある人を助けるために他の人を犠牲にするのは許されるか?」という形で功利主義と義務論の対立を扱った倫理学上の問題・課題)のようになってしまい、日々、悩みを抱えています。

リーダーならば、どのように、この問題に対処するのでしょうか?

 

<コメント>

まさにリーダーのリーダーシップが試される局面だと思います。

全員を助けることができないということは、必ず何かしらのリアクションが生じるでしょう。

まず、リーダーとして、この厳しい意思決定を行い、その結果に対して責任を持つという「覚悟」を持ちましょう。

リーダーは、現状に挑戦し、正しいことをし、人間を優先させ、長期的な視野を持ち、未来を目指す存在です。

そのため、もう一度、今回の問題が本当に「トロッコ問題」なのかを、ぐるぐると頭を回転させて、ありとあらゆる可能性を模索し、確認しましょう。

ただ漫然と現状を受け入れるのではなく、現状に挑戦するのです。

そのうえでもなお、人員削減をしなければならないということならば、最小の人員になるように最大限の努力をしましょう。

実行に際して、リーダーは、「制度」ではなく「人間」を優先させて、正しくあるようにしましょう。

それと同時に、残った人たちに対して、長期的な視野に立った方向を示し、未来を目指すように導かなければなりません。

リーダーがその場から逃げて問題解決になるならば簡単なのですが、残念ながら、そうはならないことがあります。

今までもそうであったように、リーダーは、全てのことがらに対して、最終的な責任を負っています。

問題と真正面から向き合って、出来る限り、人として正しい行動を目指してもらいたいと思います。

なお、今の日本においては、もしリストラをすることになったとしても、失業保険であったり生活保護であったりが充実しておりますので、直接的に「生き死に」に影響することはないと思います(新型コロナウイルス感染症に罹患するほうが、よほど深刻です。)。

但し、ちゃんとスタッフ一人一人の生活とキャリアと向き合うのが、リーダー(経営者)としての務めですし、筋だと思います。

 

※この記事は、2020年4月4日付Facebook投稿を転載したものです。

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