リーダーシップ往復書簡 094

リーダーシップ往復書簡 094

 

 

以前もご紹介した「Lead with love」。愛とともに導く、愛をもって導く。リーダーは愛情とともにフォロワーを導かなければなりません。

リーダーは夢や目標を掲げています。そして、その夢や目標に共感して、フォロワーはリーダーについていきます。

夢や目標は、みんなが叶えたいと考えていることであって、今のままでは入手できないものです。夢と現実の差分を埋める必要があるのです。そのため、リーダーは、フォロワーとともに努力していかなければなりません。この差分を解消するために、リーダーは自分を律して自己成長をしていくだけでなく、同様に、フォロワーに対しても成長を求めていくことになります。

このリーダーがフォロワーに対して成長を求めていく時に、そこに愛情があるのか。それが重要なのです。

今まで記載をしてきたとおり、様々なリーダーシップの発揮の仕方があります。昔ながらのマッチョなリーダー像のように、リーダーが先頭でガンガン旗振りする場合もあるでしょうし、サーバント・リーダーシップのように、リーダーがフォロワーを支えていくことに主眼を置いた場合もあるでしょう。

しかし、リーダーは、自分の夢や目標を達成するために、リーダーシップの「やり方」を形だけ真似るようなことはしてはならないのです。

自らが情熱を持って取り組んでいない、言葉が軽い、言行不一致、フォロワーから搾取する、(組織の地位や肩書はあるものの実質的にはリーダーではない)・・・など詐欺的なリーダーの中には、一見それっぽい美辞麗句を並べながらも、フォロワーを自分の夢や目標を実現するための「道具」のように扱う人がいます。

リーダーたるもの自らを律して自己成長することは当然のことですが、フォロワーに対して、自分の子どもに対して接するように、本人のためを思って、愛情を持って注意することや叱ることができるのか。

もし愛情がなければ、リーダーとフォロワーの関係は、目的解決のためだけの手段になってしまいます。正しいリーダーシップの「あり方」の傍には、常に愛情が必要なのだと思います。

リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。

また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!

 

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【Q.94】
リーダーとして、組織をまとめるために気を付けていることはありますか?

 

<コメント>

ご質問者の方が組織をまとめたいと考えているならば、組織がどこに向かうのかという方針を示すことと、スタッフに対して粘り強くコミュニケーションをすることが大事です。

一日のうち長時間にわたり仕事をしているわけですから、所属している組織のスタッフ全員が、夢や目標のために一枚岩となって仲良く仕事をしてくれたら、どんなに素敵だろうと思います。

しかし、私が企業再生の現場で見てきた多くの場合では、スタッフの多くは組織をまとめたい(正確には「組織がまとまったらいいのに」)と思っているものの、スタッフ同士で軋轢を生まないことを優先してしまい、結果として、組織がバラバラになってしまっているというものです。

特に経営が悪化している会社は、会社の向かう方向が定まっていないため、スタッフそれぞれが言いたい放題で、それこそ自己中心的に自分の好きなことをやってしまっていたり、そもそもやる気がなくなってしまっていたりするなどの問題を抱えている場合が多いです。

しかし、この状況を改善するのは実は難しくありません。

まずは、ただ単純に、組織の向かうべき方針を決定すればいいのです。組織の向かうべき方針が決まれば、その方針にそぐうのであれば正解ですし、そぐわないのであれば不正解ということになります。白黒がはっきりつけば、スタッフの行動や考えを一つにまとめることは難しいことではありません。

次に、この方針を一人ひとりのスタッフに対して粘り強く伝えることが必要になります。組織をまとめたいと思うならば、情熱を持って、それこそ100回、1000回と同じ話をすることになります。

そして、方針を決めて、それを伝えていくということは、場合によっては、その方針が受け入れがたいスタッフは去ることになるかもしれません。そこにリーダーは覚悟を決める必要がありますが、それは必ずしもお互いにとって悪いことではないのです。

そのスタッフにとっての幸せは必ずしもその組織にだけあるわけではありませんし、他にあるかもしれないのです。何かを決めて選ぶということは、それ以外を選ばないということと論理的には同義です。

リーダーが組織を一つにまとめたいと考えているならば、方針を決めて、ただ漫然と目の前の軋轢を避けるのではなく、本音でぶつかりあってコミュニケーションして、未来志向で乗り越えていくことが重要になります。

 

※この記事は、2021年5月22日付Facebook投稿を転載したものです。

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